Clockの雑文置き場

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エステロミア傭兵団ティティスの鉄獄紀行 Part45(最終決戦)


さて……ようやく大詰めね。

長かった。ここまで本当に長かった。



ちょっとやっぱり荷物が重すぎたわ。テレポートの巻物を10巻、*破壊*の巻物を10巻、置いて行くわよ。

まあ、いずれもトランプ魔法や魔力充填でカバーできているからな。まず問題はなかろう。

さて、それじゃあ行くわよ……

  6:45                      帰還を使って鉄獄の98階へ下りた。
6:46 98階(鉄獄): 『破壊スル者』によってピンチに陥った。
7:04 99階へ階段を下りた。
7:04 99階(鉄獄): 鉄獄の最深階99階に到達した。
7:13 帰還を使って地上へと戻った。
7:25 地上: 帰還を使って鉄獄の99階へ下りた。
7:35 99階(鉄獄): 100階へ階段を下りた。
7:35 100階(鉄獄): 鉄獄の最深階100階に到達した。
7:35 99階へ階段を上った。
7:37 99階(鉄獄): 100階へ階段を下りた。

さて……と。サーペントはどこかしらね。

  7:44         100階(鉄獄): 時を統べる者『リチャード・ウォン』によってピンチに陥った。







……!?!?!?何か、一瞬、時間から取り残された、ような……!!

随分と手荒い歓迎だな……

いきなり手加減ゼロですわね……



多分このメガネの人ね。

リチャード・ウォン……超能力を極めしものだったか。

テレポートに付いてきたときはびっくりしたけど、むしろ好都合かも知れないわ。今ここで倒せば、もう呼ばれなくて済むのよね。*体力回復*飲んで……

  7:46                      時を統べる者『リチャード・ウォン』を倒した。



サーペントとの戦闘にいきなり水を差してくれた罪は重いわよ。反省なさい。

中々のものではあったようですが、ティティス様にたった1人で挑むのは無謀ですわね。

  7:47                      ★《ナルヤ》という力の指輪を発見した。



貴重な指輪も持っていたみたいだけど、この装備に組み込むことは無いわね。

アイテム枠を埋めたままにすることもあるまい、一旦戻ってくるが良い。

ええ。

  7:49                      帰還を使って地上へと戻った。
8:08 地上: 帰還を使って鉄獄の100階へ下りた。



さて、まずは開けた地形を全部壊すわ。そうしたら、勝負よ。



……射線通った。向こうもブレスで応えてきたわ。……今度こそ、開戦、ってことよね。
……いくわよ!!

ティティス!昨日話した通りだ。
あとは、任せたよ!

うん!

……どうしたのだ、貴様ら?




ラフニール、それにサキュバス、聞きたいことがあるんだ。
もし君達が拒否するか、あるいはその回答如何によっては……

ここで斬り捨てる。

……ジョシュア様!?

……まずは、貴様の質問を聞こう。




(おっと……どうやら名のある上級悪魔、まだ残っていたみたいね。召喚されちゃうと厄介ね……一度距離を置くしか無いか)




単刀直入に聞くよ。
君達は。……「誰」なんだい?

……!
ジョ、ジョシュア様、私はサキュバスで、ラフニール様はラフニール様です、あまり無礼なことを……!

よい、サキュバスよ。
……そうか、気づかれたか。




(開戦からリアル時間1分……ちょっとずつ、傷らしい傷が付いてきたわね。順調な滑り出しだわ。
十分に荷物が軽くなるまでは束矢で、軽くなったら追尾の矢で行きましょう……)




サキュバスと会った時の態度、ずっと気になってたんだ。
それに、サキュバスも言ってた通り、ラフニールは深いところに幽閉されてた。世界を滅ぼす日でもないのに、僕達のところに来れるはずが、無いんだ。
ラフニールほどの者が、自分で戦わない、っていうのも凄く違和感を感じたよ。

ならば……私がここにいることはどう説明する?




(多少だけど、深い傷も見えてきてるわね。それでも全く応えてないのが恐ろしいけど……でも、召喚の頻度が少ないわ。今は多少楽に戦える……)




それも、モルゴスと戦う前の君の態度で解った。
……君たちは、……君たちもまた、「混沌のサーペントに造られし幻影」……そうだろ?

……!!

…………フフ……フ。ハ、ハ………
……黙って消えようと、思っていたのだが、な……フフ。




(おっと、機械の悪魔、サイバーデーモンね。さすがにこいつらは相手にできないわ。テレポート……巻物のほうが良いわね)




……その通りだ。私の死生はあの者と共にある。

……間違っていたらどうしよう、って不安はあったけど、やっぱりか。
……それなら質問させてくれ。なぜ君はこんなことを。

そうだな……説明するとしよう。




(4割……ってところかしら。順調ね。この分なら矢も足りそう。このまま何もなく行ければいいけど……)




奴を野放しにしておいては、この世界は他の世界に取り込まれ、消え失せる……ここまでは本当だ。どうやらオベロンがそうならぬよう、止めていたようだがな。

ああ。

………




(さっきは上級ドラゴンの群れ、今度は機械の悪魔の群れ……向こうも本気ね……)




奴に産み出された私は、「ラフニール」の精神と記憶を持ち、鉄獄の深いところに目を覚ました。何者かに使役対象として呼び出されたことは直ぐに分かったさ。その何者かが混沌のサーペントであり、この世界の破壊を望んでいることも解った。

似たようなものですわね。私も、スリングウェシルを依代にしたのはナイアルラトホテップの所業ですが、呼び出したのは混沌のサーペントに他なりません。




(さっき破壊に巻き込んだ名のある上級悪魔が、また出てきたようね……倒しておくべきだったのかしら。さっきから射線が通らないわ……)




私は私の本体、「ラフニール」と連絡を取ることが出来た。……同じ精神を持つ物同士、意見は一致したさ。
「かつて私に充実した生をくれた者達に報いたい。彼らが美しいと言った世界を壊させないという形で。」

私も、世界は美しいと思っておりましたから。……混沌のサーペントの暴走を、止めてくださる方はあなた方と、ラフニール様しか思いつかなかったのです。


  8:34                      『デモゴルゴン』を倒した。



(この悪魔はもう倒しておこう。この後また呼ばれても厄介だし)




貴様らを探すのは苦労したぞ。貴様らの団長が私のことを知っていてくれて助かった。

団長が!?

エステロミア傭兵団を探している、と問うたら団長の所在を教えてくれた者が居たのでな。
ジョシュアとティティスに依頼をしても構わぬかと問うたが、「いい修行になるだろうから」と快諾してくれたぞ。目の前に居るものが滅びの魔竜の化身であると知った上、失敗すれば世界が壊れると解った上で、な。貴様らも人間にしては恐ろしいが、あの者もさすがだな。
そうそう……「私に会えればジョシュアやティティスも喜ぶだろうから、直接告げてやってくれ」とも言っていたな。ティティスの人使いの荒さは団長譲りか。

……団長……




(ちょっと削りにくくなってきたけど、荷物は軽くなったわ。秘密兵器追尾の矢、投入するわ……)
覚悟なさい、サーペント!!




貴様らを騙したことは……認める。それは、済まなかった……。どう言えば信じてもらえるか、私なりに考えた結果、なのだ……
貴様らに信じさせるのは、私が生きてきた中で一番の大勝負かも……しれんな。
ティティスは……順調な、ようだな……

そのよう……ですわね……

……ラフニール!?……でも、君は!

……ジョシュア。気をしっかり持て。……私には人間の心は良く解らんが……
それに、貴様らは会おうと思えば、「私」にはまたいつでも会えるのだ……忘れたか?




(召喚魔法が途切れた隙を狙って追尾の矢を撃ちまくれ、私!……どうやら折り返し地点は過ぎたみたい……!)




……いつでも、会える、だって?

「ラフニール」はまだ……封じられし門の奥底で……時を過ごしている。
……あの者、私が貴様らと共にあると知ったら……少し、羨ましそうにしていたぞ。

私達は……幻影に過ぎませんから……ね。




(サーペントの動きがふらついてきた。……追尾の矢はなくても、束矢の残りは十分……それがなくなっても、魔力復活の薬と最終奥義《自然の脅威》で押し切るわ……!!)




(その場に膝をつき、息を荒くし始める)
……なるほど、こうなるのか……

(ラフニールの肩を支えようとする。だが足取りはあまりに弱く、結局支えることは出来なかった)……ええ。これは……

ふ、二人共……!?

一時の感傷に流されるなよ、戦士ジョシュア……!
私達など、もともと居なかったのだ……!




サーペント……別にあなたに恨みはないわ。でもね。この世界を壊させるわけに、いかないのよ。




……解った。二人共。僕は今は非情になる。

ええ。

そうだ……そうでなくては、来た意味が無い……そうだ、ジョシュアよ、これを…………ティティスが戻ったら……開けるのだ……

これは………。確かに、受け取った。

さて、「私」の最後の仕事、か……

なんだって……?

ティティス様が帰ってこなくても……よろしいので?……ラフニール様、助力……させて、頂きます……

ああ………………すまない、二人共。……頼む。

気にするな……依頼したのは、私だ。

  8:48                      『混沌のサーペント』を倒した。
8:48 クエスト「混沌のサーペント」を達成した。
8:48 見事に変愚蛮怒勝利者となった!




…………混沌のサーペント。強敵だったわ。……今は、眠りなさい。




(白い光に包まれる、ラフニールの身体)……どうやら、ティティスは、やりとげたようだ、な……どうやら、これまでの、ようだ。貴様らとともに戦えたこと……誇りに、思……

(白い光に包まれる、サキュバスの身体)……さよなら、ジョシュア様。ティティス様と、どうか仲良……

……うん。………さよなら、だ。……君達とともに戦えて、良かった。




何かしら……ひどく、胸騒ぎがする……何か、見落としてる……?無いと思いたいけど……

ティティス!

………えっ!?……ラフニールの声みたいだけど……鏡からじゃない、どこから……!?

帰還の呪文を唱えろ!今すぐだ、時間がない!!

……………!?解ったわ!!

  8:56                      帰還を使って地上へと戻った。



戻ったわよ!ジョシュア、何もない!?………あれ……?ジョシュア?

………おかえり。

………ラフニールと、サキュバスは………?

………混沌のサーペントが倒されたのと同時に、消えたよ。……これを、残していったよ。

……小さな箱……?(はっ)……まさか、あの二人……!!

そういうこと。

そうか……でも、どうして、あの二人が……?

ちょっと待って。僕が落ち着いたら、話すから。

解ったわ。

(エピローグへ、続く)