Clockの雑文置き場

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スミレの星づくりを見守る2体の侵略者 Part10(最終回) 後編




さあ……聞かせてもらおう。亡霊たちの思い出話を。

…………。





イテキマ戦争……イテキマの連中と、西園(サイオン)の連中が争った後の、イテキマの連中の最終兵器。それが時空の渦を発生させ、スミレの宇宙船を巻き込んだ、ということだな。

そういうことでありますな。

だが、そうだとすると俺達のいるこの場所は……



俺達の他にこの近くに居た艦隊は、サイオンという連中のものか。

うむ。



亡霊たちの未来視、か……

………?

ケロロ、さっきから何を黙っている……!

ギロロ。黙って亡霊の言葉を聞くであります。我輩が今語るよりも、彼らの声を聞いてほしいであります。



…………!ここが、過去のペコポン、だと……!?

……ケロロ殿が何かを知っているようには見えたでござるが……いつからでござるか?

以前、クルルに調べさせていたでありますよ。この場所と並行宇宙の関係。我輩たちが見ているこの星は何であるのか。

それは聞いたが……!

(ザザッ)邪魔するぜぇ?隊長、そろそろタイムリミットだ。こっちから強制帰還させるぜぇ?

………頼むであります。




それから暫く。ケロロギロロ・ドロロの3人を乗せた宇宙船はクルルの手により、地球向けのワームホールに強制転移された。侵略先である地球へ戻るため。
ケロロは珍しく神妙な表情を浮かべ、ギロロとドロロの2人に、知っていたことと、決断の内容を話し始めた。


亡霊たちの言葉の通りであります。……あの惑星は、「あり得たかもしれない」ペコポンの一つの過去でありますよ。ただし、確実にそうとは限らないとも、クルルは言っていたでありますな。

……どういうことだ。

未来が無数にあるのと同時に、過去も無数に存在する。我輩たちの思う過去が、一通りとは限らない……らしいで、あります。

但し、あの場所はイテキマの秘密兵器の影響で、酷く不安定な状況。過去と現在がごっちゃになってるな。一歩間違ったら俺達の存在ごと消えてたかもしれねぇし、ペコポンがなくなってた可能性だってあった。そうなる前に俺様が強制帰還させたこと、感謝しろよぅ〜?クーックックックックゥ〜。

石化したスミレ殿が投下されたのもそういう理由。……あれは、別の時間軸で、失敗したスミレ殿が時空を越えて運ばれて来ていたようでありますな。

クルル殿。その事をケロロ殿は知って?

ああ。調査するにしても、それなら本隊に任せてとっとと離脱しろって警告したぜぇ〜?

……何故だ、ケロロ

ギロロ、ドロロ。以前ドロロの提案により、街を花でいっぱいにするという侵略作戦をやったこと……覚えているでありますか。

ああ……あの時は結果的に拙者の提案を採用されたこと、感謝しているでござる。

そういえば……あったな。

彼の者も、そういう意味では我輩たちと同じ。無人の荒野を、たった一人で、侵略していたでありますよ。……恥ずかしい話でありますが、我輩には……スミレ殿のように、単身で、荒野の惑星を侵略するなど……出来ないであります。

だからなんだと言うんだ!

我輩は見たかったであります。彼の者が侵略を成功させるところを。彼の者がペコポン侵略を完遂したというならば、いわば我々の大先輩。

…………ケロロ、貴様……

…………

無論、そのためにケロロ小隊の隊員であるギロロやドロロを危険に晒したことは言うまでもない事実。気に食わぬなら、軍法会議にでも掛ければいいであります。

……フン。出来るわけがなかろう。いずれペコポンを侵略するなら、過去のペコポン侵略者の手法を知っておくに越したことはない。……実際、スミレが生き延び、作戦を成功させたことを見て、得るものはあったからな。

拙者も同意でござる。我々のペコポン侵略にも、きっと、役立つでござるよ。

………そうか。我輩は……隊員に恵まれたでありますな。

クーックックックックゥ〜。しんみりしてるところ悪ぃけど、そろそろペコポン到着だぜぇ〜?

クルル!誘導頼むであります!

おっけぇ隊長〜。



こうして彼らは監視を終え、地球へ帰還した。
彼らがペコポンと呼ぶこの星……地球がどう成り立ったかを知ったことは、彼らにとって意味があったのかどうか。それはまだわからない。
しかし、明日からはまたこれまでどおり、賑やかな地球侵略の日々に戻る。これだけは揺るぎない、確定した未来図である。

―THE END―




―おまけ―

そういえばギロロ。スミレ殿がこれまで育てた植物一覧をまとめてみたでありますよ。

フン。見せてみろ。



結構な数を育てていたのでありますな……スミレ殿、侵略者として見上げた不屈の根性であります。

貴様も少しは見習え。

そしてよくよく考えてみたら、向こうでは1年以上経っていたのに、我輩たちの時間が進んでいないことにもうちょっと違和感を感じるべきでありました!こいつは一本取られたでありますなあ!

俺は最初から違和感バリバリだったがな。


参考:最終時点での成績.txt

★スミレの花 ver1.4
プレー回数: 12回 セーブ回数: 14回
日数:377日目 難易度:<かんたん>
アイテム取得率: 77%
植物図鑑: 48/60
友達: うさぴょん 1才
―おまけ終了―